ものづくりのまちで暮らす

 
 ものづくりのまち、広島県府中市で暮らすとしたら――。ここでの働き方、暮らし方について、ご説明しましょう。
 

広島県内のどの辺り?

 広島県の東部、備後(びんご)地域に位置します。山々に囲まれた盆地です。海はない代わりに、市内には一級河川の芦田(あしだ)川がゆったりと流れています。毎年6月半ばには鮎釣りが解禁されるのが、市民の楽しみの一つです。「そろそろ誰かが鮎を届けてくれる時期じゃね」が初夏の府中のご挨拶です。

府中の暑さ、寒さは

 盆地なので正直、暑いです。夏場には県内でトップクラスの暑さになります。冬は、市内の北部に位置する上下(じょうげ)町に住む人たちは、タイヤを11月末にはスタッドレスに履き替えます。JR府中駅のあるまちなかでは、雪は年に一度くらいしか積もらないので、スタッドレスにする人が少なく、積雪した朝はゆっくり運転となるので、道が混みます。そんなときは早めに出勤するのがいいです。

 

イベントやお祭りもたくさんあるよー

 賑やかでワクワクするお祭りもあれば、季節の風景の中に抱かれるような、心がホッとする一日を過ごせるイベントもたくさんありますよ。

「宇根(うね)かたくりまつり」「うやま桜まつり」「安楽寺さつき祭り」「首無(くびなし)地蔵の大祭」「十輪(じゅうりん)院の春の大祭」
「ほたる祭り」「あじさい祭り」「三郎(さぶろう)の滝フェスティバル」「河佐(かわさ)峡フェスティバル」「オオムラサキを自然に帰す集い」「備後国府(こくふ)まつり」「諸田(もろた)のベジタブルなコンサート」「天領(てんりょう)上下花火まつり」
「羽高(はたか)湖湖畔フェスティバル」「上下かかしまつり」「三郎の滝紅葉まつり」「備後府中食博」「秋の夢吊橋ウォーク」「奇岩・巨岩の岳山(だけやま)登山の集い」
「ごんぼう祭り」「天領上下ひなまつり」

 

福山へ遊びに行く時は、福塩(ふくえん)線の電車で

 福山から三次(みよし)市の塩町(しおまち)までを結ぶJR福塩線を利用します。府中駅から福山駅までは約45分。片道500円。府中発福山行きの始発は5時23分。福山発府中行きの終電は23時39分。だいたい1時間に1、2本あります。

 

バスは市内をめぐる足にも、カープ観戦にも

 市内の病院や役所など主要機関をめぐる「ぐるっとバス」は1回150円(大人)で利用できます。朝8時から16時まで、13便がぐるっと回っています。広島市内へショッピングやカープ観戦に行く際は高速バス「リードライナー」を利用します。「道の駅びんご府中」発だと片道2200円(大人)、約1時間半で行けます。府中・福山間のバスは1時間に1、2本の便があります。

 

朝の通勤は、ゆるやか

 都会の人には魅力かも、なのが通勤です。ほとんどの人がクルマ通勤で、家から職場まで平均15分くらい。ときどき、健康のためにのんびり歩いて行く人もいます。のどかな朝の時間です。

 

府中市のエリア感覚

 府中市は、大きく2つの地区に分かれます。JR府中駅を中心に、住宅や店舗、工場が立ち並ぶ府中のまちなか地区と、古い白壁の街並みが風情を感じさせる上下地区です。また、隣町の福山市にある職場や学校へ30〜40分かけて通勤、通学する人もいます。

どんな人種かというと

 最初はとっつきにくいかもしれません。都会の人に向き合うと、ちょっとびっくりして、外国の人とお話しするような気分になるのかも。言葉が通じるかの不安。ま、一般的に田舎はどこもそうですね。でも慣れてくると、いい感じになってきます。

 春はつくしや山菜、夏はキュウリやピーマン、すいか、秋は栗やお花、冬は大根、白菜を誰かが軒先に届けてくれます。ご近所さんからのお裾分けで、食卓が美味しく楽しくなるんです。食べ方やつくり方も教えてくれるし、おしゃべりするとホッとする。大きな家族のように暮らしていきます。一日のうちのどこかで、「やさしいよなあ」と口ずさむことがありますね。

 

ない、けれど不便じゃない

 スターバックスはないけどドムドムがある。三越はないけど府中天満屋がある。ニトリはないけどユーホーがある。ユニクロはないけどチロルがある! ちなみにユニクロとニトリは府中のまちなかから車で20分くらいの隣町にありますよ。

 

ママ編集者が感じた「府中での子育て」

 都会と違うところは――。待機児童はゼロ。保育所は駐車場があるので、車での送迎が一般的です。市内には多くの公園が点在しています。2017年にリニューアルオープンした「こどもの国ポムポム」では木製おもちゃが充実していて、ボルダリングやクッキングも楽しめます。もちろん「大人1人につき子ども2人まで」なんてことはありませんよ^^

 放課後児童クラブや塾、習い事も充実しているので、子どもに合わせて選択肢もそろっていると思います。大手の塾から、細やかに支えてくれる個人教室、無料で教えてくれる太鼓やワンコインで習えるチアダンスなども。ママ友や子どもたちが立ち上げたサークルもあるし、練習場所となる公民館やグラウンドもそろっています。

 

「府中焼き」を語らせていただきます

 広島のお好み焼き。一言で「広島焼き」といっても、県内の地域によってネタが違うんです。広島市内は豚バラ肉ともやしを入れるのが定番。「尾道焼き」は砂ズリとイカ天を入れる店が多いですね。「三原焼き」は鳥もつを使用。「竹原焼き」は、酒粕を生地に練り込んでいます。周辺各地の食べ歩きができるのも、この備後エリアの魅力ですが、正直なところ、「府中焼き」はどこにも負けてません! 一番美味しいと自負しております。

 ラード多めの和牛挽肉が熱で溶けだし、生地をパリパリにします。中ではキャベツが蒸されてフワッフワに。もやしは入れないので、ベチョっとなりません。パリ×フワッです。府中で暮らすなら、ランチは月曜から金曜まで「府中焼き」で♪

 

病院も不自由なく

 市内に総合病院が2カ所。かかりつけ医となる個人病院も点在しています。特殊な治療が必要な場合は車で30~40分ほどの福山や尾道の病院へかかるケースもありますが、主な病院まではバスが運行しているので、あまり負担ではないですよ。

 

休日の過ごし方は

 日常の買い物は市内のお店やスーパーマーケットで十分ですし、週末に気が向けば隣町の福山にある大型ショッピングモールに足を伸ばすことも。

 春のお花見スポットは「府中公園」「南の丘公園」「羽高湖」。夏は、海のない府中っ子は川遊びが基本。「河佐峡」「三郎の滝」などで涼みます。市営プール「月見ヶ丘プール」もオススメ。混んでないし、監視員さんがいてくれるので、子どもたちが安心して泳げます。秋は栗拾い、木の実獲りをしてクリスマスリースづくり、デイキャンプなどで過ごします。冬は1~2時間ほど車で走ればスノーボード、スキーも楽しめます。
 
 
※ この記事は、広島県府中市「WORK & LIFE GUIDE BOOK 2019-2021」(2018年11月発行)を再編集したものです。

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