1952年に創立。60年を経てオガワエコノス(広島県府中市)は、地域になくてはならない存在というだけでなく、地球に必要とされる企業へと、成長を続けている。
業務の柱は、廃棄物関連、汚水処理関連、その他環境関連。地域の工場から出た不要なプラスチック、建設現場などで発生した紙くずや木くずを集め、熱を加えて圧縮させた固形燃料のRPFは、再びものづくりの一翼を担う。これをボイラー設備を所有する企業へ提供し、二酸化炭素の排出削減に貢献している。
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3Kのイメージが強い業種だが、実際の社内は、いたってクリーンだ。いつ誰が来ても気持ちよく見てもらえるよう、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの「5S」を徹底。常に「見られている意識」を全従業員が持っている。「いい社員が、いい仕事をして、いい会社になる」をモットーに、環境美化活動、工場見学、環境出前講座を行う。
さらに、自社の農園で食育体験も実施。食品廃棄物から製造したエコ堆肥を使って育てた農作物を提供する朝市は、楽しみにしている府中市民も多い。社会貢献は数えきれない。その評価は、11年連続「AA」以上というS&Pの格付けや環境大臣表彰、数々の認定が物語る。
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営業所は、岡山・仙台・東京。活動エリアは県外では関西、四国、九州へと拡大。それに伴い、売り上げも安定して伸びている。給与は他業種に比べても引けをとらないという。ボーナスも決算時の業績次第で年3回。
社員研修や、従業員と家族の健康増進に向けた啓蒙活動にも積極的だ。「チームがん対策ひろしま」「仕事と家庭の両立支援」に企業登録。健康診断にがん検診を追加したり、勤務時間内にインストラクターの指導の下でヨガなどの健康エクササイズを実施したりしている。残業は、繁忙期や突発的な場合を除き、なくす方針を打ち出している。
入社して半年は現場研修で、全ての部署を体験する。その後、本人の希望や適性を見て配属が決まる。2016年度から人事制度を一新し、「熱意×考え方×能力」という軸に、社員の成長を評価し、人材育成を進めている。各業務で女性が活躍できる現場環境を整え、バックアップしている。「企業は人なり」というトップの熱意の下、今や人を育てる企業として注目を集めている。
株式会社オガワエコノス
広島県府中市高木町502-10
売上高:29億7000万円
従業員数:238人
※ この記事は、広島県府中市「WORK & LIFE GUIDE BOOK 2019-2021」(2018年11月発行)を再編集したものです。