個性的!ものづくり企業

豊かな暮らしを楽しみつつ働こう――伝統工芸

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 山と川、農地に囲まれた自然豊かなその場所で開催するワークショップは主に、主に関東方面から20代、30代の若いカップルや夫婦が参加する。府中市の中心部から車で30分北上した山間部の田舎である環境は、伝統工芸(広島県府中市)の資源だ。

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 1983年、大手額縁メーカーの下請けからスタート。学校の体育館に立てかけられた校歌、あの巨大な額縁から書道などの額縁・茶道具・屏風・ついたてなど日本の伝統に欠かせない品を製造してきた。時代の変化とともに業務内容はインテリアに移行。2011年、木製の壁面家具・壁面雑貨の企画・製造・販売事業を開始した。

 額縁からインテリアへの参入は、家具メーカーにはない技術が「新しい」「美しい」と好評を呼んだ。木と木の継ぎ目に「三方留」(さんぽうどめ)を施し、見た目も良く、強度も増す。一般的には金具が使われることが多い蝶番は、金具ではなく歴史ある「真田紐」(さなだひも)で組む。今まで180度までしか動かなかったものが360度まで動き、自社の技術が可能性を広げた。

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 業務は、相手先のブランド名で製造するOEM製品の製造、インテリア・ファッションブランド店舗向け什器の製造、2015年のオリジナル家具ブランド「LISCIO」(リッショ)やオリジナル雑貨ブランド「FRAME」の企画・販売など。年に4回、東京インターナショナル・ギフト・ショーなど展示会に参加し、東京や海外を見据えた展開を狙う。取引店は、中国・四国・近畿・関東・九州地方の家具、木工、建築事務所、ライフスタイルショップなど。商品を大切に丁寧に扱ってくれるショップをパートナーに選ぶ。価格競争に参加せず、エリアも限定している。

 新規事業を次々に打ち出す会社は、効率重視かと思いきや、服巻年彦(ふくまきとしひこ)社長をはじめ会社の雰囲気は穏やか。なぜならば同社が目指すは、暮らしを楽しむなかに仕事がある「北欧の暮らし」。自然豊かな環境を生かし、移住したくなるような会社にするのが服巻さんの目標。今後は、仕事と暮らしを楽しみながら送るライフスタイルを提案する自社店舗を持ち、企画・設計・製造・接客ができる社内環境へとシフトする。社員と一からつくり上げる新しい働き方は注目を集めるだろう。
 
 
伝統工芸株式会社
広島県府中市上下町階見1503
売上高:1億円
従業員数:5人
 
※ この記事は、広島県府中市「WORK & LIFE GUIDE BOOK 2019-2021」(2018年11月発行)を再編集したものです。

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